「ひかりの輪」観察処分取り消し=オウム後継団体分派―アレフ請求認めず・東京地裁

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170925-00000076-jij-soci

団体規制法に基づく観察処分が更新されたのは不当だとして、オウム真理教の後継団体「Aleph(アレフ)」と、分派した「ひかりの輪」が国に処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁(林俊之裁判長)は25日、ひかりの輪に対する観察処分を取り消した。

 

裁判で処分が取り消されたのは初めて。アレフ側の請求は退けた。

観察処分は、対象団体への立ち入り検査などが認められるほか、信徒数の報告などを義務付けることができる。

公安審査委員会は2015年、両団体をオウム真理教の元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(62)の影響下にある一つの団体とみなし、観察処分を18年まで更新すると決定。訴訟は両団体が松本死刑囚の教義を広める「一つの団体」と言えるかが争点だった。

林裁判長は、松本死刑囚への帰依をめぐり、アレフが深める一方、ひかりの輪は否定していると指摘。さらに、「両団体は対立関係にある」と述べ、一つの団体とは認められないと判断した。

ひかりの輪の代表を務める上祐史浩氏(54)は、判決後に記者会見し「処分が不当だったと認められ、ほっとしている」と話し、国家賠償訴訟を起こす考えも示した。

公安調査庁は「全く予想外の判決。確定すれば活動状況の把握が困難になり、国民生活に不安を与えかねない事態となる」とするコメントを出した。

同庁によると、アレフの信徒数は約1500人で、ひかりの輪は約150人。